一生に一度は見たい「オーロラ」。でも本当に見られるの?
「いつかオーロラを見てみたい」
そんなふうに夢見たことはありませんか?幻想的な光のカーテンに包まれる体験は、多くの人にとって“人生で一度は叶えたい旅”のひとつです。
なかでもノルウェーの北部に位置するトロムソは、オーロラ観賞の名所として世界的に知られています。でも、オーロラって実際にはどこで、いつ、どんなふうに見えるのか?
調べれば調べるほど「難しそう」と感じてしまうかもしれません。
そこでこの記事では、「オーロラを見るためにトロムソに行きたい!」というあなたに向けて、観賞のベストシーズンからおすすめスポット、ツアーや防寒対策まで、すべてわかりやすく解説していきます。
トロムソとは?|ノルウェー北部の“オーロラ都市”
トロムソ(Tromsø)は、ノルウェー北部に位置する北極圏の街で、「北のパリ」とも呼ばれる美しい都市です。緯度は北緯69度で、北極光が頻繁に現れる「オーロラオーバル」と呼ばれる帯の真下にあるため、世界屈指のオーロラ観賞地として知られています。
人口は約7万人と小規模ながらも、大学や博物館、レストラン、バーなど都市機能がしっかり整っていて、観光客にも過ごしやすい街です。中心部から郊外へ30分ほど車を走らせるだけで、真っ暗な大自然が広がり、光害の少ない環境でオーロラを観賞できます。
さらに、冬季には極夜(きょくや)と呼ばれる「太陽がまったく昇らない時期」があるのも特徴で、昼夜を問わずオーロラのチャンスがある特別な場所でもあります。

具体的なフライトの乗り継ぎ例
オスロ経由が最も一般的で便利
- 日本 (成田/羽田) → オスロ (OSL)
- 航空会社: スカンジナビア航空 (SAS)、フィンエアー (HEL経由)、KLMオランダ航空 (AMS経由)、ルフトハンザドイツ航空 (FRA経由) など。
- 所要時間: 約12時間~15時間(乗り継ぎ時間含まず)
- オスロ (OSL) → トロムソ (TOS)
- 航空会社: スカンジナビア航空 (SAS)、ノルウェー・エアシャトル (Norwegian Air Shuttle) など。
- 所要時間: 約1時間45分~2時間
- 注意点: オスロ空港での乗り継ぎは比較的スムーズですが、国際線から国内線への移動や、荷物の預け直しが必要な場合があるので、時間に余裕を持つようにしてください。
オーロラが見える条件とは?トロムソが人気な理由
オーロラが発生するには、いくつかの自然条件が必要です。意外と知られていないのが「見えるかどうかは天候次第」だということ。せっかく現地に行っても、曇り空ではオーロラがあっても見えないのです。
ここではまず、オーロラ観賞に必要な条件と、なぜトロムソが人気なのかを表で整理してみましょう。
オーロラ観賞に必要な条件と、トロムソの特長:
観賞条件・要素 | 内容 | トロムソの評価 |
地理的位置 | 北緯69度の極地帯にある | ◎ オーロラオーバルの真下 |
観賞時期 | 9月中旬〜4月上旬がベスト | ◎ 長期間にわたって観賞可能 |
天気 | 雲がない晴天が必要 | ◯ 内陸部よりは安定しやすい |
時間帯 | 夜18時〜深夜2時がピーク | ◎ 日照時間が短く好条件 |
光害の少なさ | 人工光が少ないほど◎ | ◯ 市街地は少し明るいが郊外多数 |
アクセス・治安 | 空港から市街地へアクセス良好 | ◎ 観光インフラが整備されている |
このように、トロムソは「オーロラを見に行くための条件」が非常に揃っているエリア。しかも街からわずか30分ほど離れるだけで、光害のない真っ暗な大自然が広がります。

観賞のポイント①:ベストシーズンと時間帯を知ろう
まず大事なのが「いつ行けばオーロラが見られるのか?」という時期の問題です。トロムソでは9月中旬から4月上旬にかけてが観賞シーズンとされていますが、特に見ごろなのは11月〜1月の極夜期間です。
この時期は太陽が地平線から顔を出さず、昼間でも薄暗いため、24時間オーロラのチャンスがあるんです。
さらに、観賞に適した時間帯も重要です。下の表で整理してみましょう。
時期 | 特徴 | 活発な時間帯 |
9〜10月 | 比較的暖かく観光も楽しめる | 20時〜0時 |
11〜1月 | 極夜でチャンスが多い | 18時〜2時 |
2〜4月 | 晴天率が高く写真向き | 19時〜1時 |
旅行の日程が自由に組めるなら、11〜1月の間で新月に近い日を狙うとベスト。空が真っ暗になるため、より鮮明にオーロラが見える確率が高まります。
観賞のポイント②:おすすめの観賞スポット(市街地編)
「オーロラを見るには郊外まで行かなきゃダメ?」と思われがちですが、実はトロムソの市街地でもオーロラが見られるスポットはあります。
以下の表は、アクセスしやすい市街地の観賞ポイントをまとめたものです。
スポット名 | 特徴 |
プレストヴァン湖(Prestvannet) | 街明かりが届きにくく、静かに観賞可能 |
港エリア/橋の下 | 水面に映るオーロラも美しい人気スポット |
テレグラフブクタ公園 | ビーチに寝転んで観賞できるロマンチックな場所 |
いずれも徒歩や公共バスで移動できる距離にあるため、滞在中に気軽に行けるのも魅力です。

観賞のポイント③:少し足を伸ばせばもっと感動的に!郊外スポット
よりドラマチックなオーロラを見たいなら、市街地を少し離れてみましょう。光害が減り、360度のパノラマでオーロラを楽しめます。
テレグラフブクタ(Telegrafbukta)は、ノルウェーのトロムソにある有名な場所の名前です。特に、オーロラ鑑賞スポットとして知られているビーチや公園があります。
スポット名 | 特徴 |
グレトフィヨルド(Grøtfjord) | 山と海に囲まれた静寂のフィヨルド |
ノルドスピッセン | 完全な真っ暗闇で360度オーロラ体験 |
ケーブルカー山頂(Fjellheisen) | 山頂から街と空を一望、アクセスも便利 |
郊外へ行く際は、防寒対策やアイゼン(滑り止め)を忘れずに。冬のトロムソは想像以上に寒いですよ!
観賞のポイント④:ツアーに参加して効率的に楽しむ
「自力で観賞に行くのはちょっと不安…」という方には、現地ツアーの利用がおすすめです。
経験豊富なガイドが天気や雲の動きを読みながら、ベストなスポットへ連れて行ってくれます。
ツアータイプ | 特徴 |
チェイスタイプ | 車で移動しながらオーロラを追いかけるスタイル |
キャンプ型 | 一カ所でゆっくり待つスタイル、写真講座あり |
クルーズ型 | フィヨルドを進みながら水上で観賞する特別体験 |
ガイドによっては写真撮影のアドバイスをしてくれたり、防寒具を貸してくれるところも。予約時に確認しましょう。

観賞のポイント⑤:服装と準備アイテムは超重要!
真冬のノルウェーは、-10℃を下回る日もざら。オーロラ観賞では長時間外で立ち尽くすこともあるため、防寒対策は命綱です。
アイテム | 理由・用途 |
ダウンジャケット | 防風・防寒対策に必須 |
ウールインナー | 汗冷えを防ぐ吸湿性に優れた素材 |
手袋・帽子・ネックウォーマー | 露出した部分をしっかり保護 |
アイススパイク | 凍った道の滑り止めに必須 |
モバイルバッテリー | 寒さでスマホの充電が減りやすいため |
写真を撮るなら、三脚とレリーズ(リモコンシャッター)も忘れずに。長時間露光が必要です。
オーロラは“見に行く”ではなく“会いに行く”
オーロラ観賞に向かうとき、私たちはつい「見られるかどうか」にばかり気を取られがちです。SNSで見るような鮮やかな緑やピンクの光が、目の前に現れることを期待してしまう…それは当然のことです。
でも、オーロラは人工物ではありません。あくまで自然現象です。
つまり、どれだけ計画を練って準備万端にしても、天候や太陽活動、雲の流れなどに左右される「運」の要素が大きいということ。
「見に行く」=コントロールしようとする気持ち
「見に行く」という姿勢は、どこかで「見られるはず」「計画通りに動けば成功する」と思ってしまいがちです。
でも実際には、天気が悪くて空が曇ってしまったり、太陽風が弱くてオーロラが発生しなかったり…
せっかく来たのに、1週間いても一度も見られない人だっているんです。
そんなとき、「せっかく高いお金を払って来たのに…」とがっかりするか、「それでもこの旅には意味があった」と感じられるか――
そこに大きな心構えの違いがあります。

「会いに行く」=受け入れて出会いを楽しむ姿勢
「会いに行く」という言葉には、「こちらから歩み寄る」「相手のペースを尊重する」という意味合いがあります。
オーロラもまさにそう。
自分の期待通りにいかないことを受け入れつつ、空を見上げ、風の音を聞き、極地の静けさに身をゆだねる。
“会えたら奇跡”という前提で、心を空っぽにして待つ…その姿勢が、オーロラとの本当の出会いに近づくカギになるのです。
そして、ほんの一瞬でも空に淡い光が浮かんだら、
「ここまで来てよかった」
「この静けさの中で、その光に出会えた自分は幸運だ」
そう心から思えるはずです。
オーロラは、奇跡のような“出会い”そのもの
どんなに計画しても、天候だけはどうにもできません。
それでもトロムソへ旅をする価値があるのは、そこに「オーロラに会える可能性」と「自然と向き合う時間」があるから。
オーロラ観賞は「成果」や「成功体験」ではなく、
“その場に自分が立ち会った”という感動なのです。
だからこそ、オーロラは「見に行く」ものではなく「会いに行く」もの。
あなた自身の旅を、自然との対話として大切にしてみてくださいね。
トロムソのオーロラは、人生で一度は体験する価値がある
この記事では、「オーロラ トロムソ」というテーマで、ベストシーズン・観賞スポット・服装・ツアーの選び方まで、すべてをまとめてご紹介しました。
トロムソはアクセスもよく、安全で、観光地としての魅力もたっぷり。冬の絶景を見に行くには最高の場所です。
ぜひあなたもこの冬、幻想的なオーロラの舞を見に、トロムソへの旅を計画してみてくださいね。
その瞬間が、きっと一生の宝物になりますように。