はじめに ~標高5,000mに現れる虹の奇跡~
ペルーといえば、誰もが一度は聞いたことのある「マチュピチュ」が有名ですが、
実はそのすぐ近くに、もうひとつの“奇跡の絶景”があるのをご存じでしょうか。
その名もレインボーマウンテン(Vinicunca)。
まるで絵の具を何色も重ねたような山肌が広がる、まさに「地球とは思えない景色」です。
まだ世界遺産には登録されていないものの、その壮大な色彩と幻想的な風景はSNSで一気に話題となり、
今では「人生で一度は見てみたい絶景スポット」として注目を集めています。
そんなレインボーマウンテンの魅力や行き方、実際に訪れた人の声などを交えながら、
写真では伝えきれない本当の魅力に迫っていきます。
世界の絶景・レインボーマウンテンとは?虹色の山の成り立ちと不思議な魅力
レインボーマウンテン(現地名:Vinicunca/ヴィニクンカ)は、
南米ペルーのアンデス山脈に位置する標高約5,200mの山です。
最大の特徴は、赤・黄・緑・青・紫など、自然がつくり出した美しい縞模様。
この色彩は、地中の鉱物が長い年月をかけて酸化したことで生まれたものと言われています。
現地では「モンターニャ・デ・セテ・コーロレス(七色の山)」とも呼ばれ、
インカ時代から聖なる山として大切にされてきました。
見る角度や太陽の光によって微妙に色合いが変化するため、
「一瞬一瞬が違う表情を見せてくれる」のもこの山の魅力。
まさに、自然が創り出した巨大なアート作品です。
まだ観光地としての歴史は浅いものの、その神秘的な美しさから、
近年は世界中のトラベラーたちの憧れの地となっています。

標高5,000mへの挑戦!レインボーマウンテン登山ルートと旅の準備ガイド
アクセス方法と移動のコツ|標高差に備えたプランニングがカギ
レインボーマウンテンを訪れるには、まずペルー南部の都市・クスコが拠点になります。
クスコからは、ツアーや車で約3時間のドライブ。
そこからさらにトレッキングで2~3時間ほどかけて山を登っていきます。
標高は徐々に上がっていき、最終的には5,000mを超えるため、事前の高度順応が非常に重要です。
道のりは比較的なだらかですが、空気が薄いため、思うように足が進まないことも。
不安な方は途中まで馬を利用するオプションもあります。
現地で手配するか、ツアーに含まれている場合もあります。
おすすめの行き方は?現地発ツアーと個人旅行の比較
現地発の1日ツアーに参加する。
早朝出発となりますが、移動・ガイド・食事などがセットになっており、安心してトレッキングに集中できます。
また、前日は早めに休み、水分をしっかりとることも忘れずに。
高山病予防として、酸素スプレーを持っていくなど、体調管理にも備えておきましょう。
高地順応も重要!クスコ発3泊4日モデルプランのおすすめ
1日目 クスコ到着・高度順応
クスコ空港到着
市内散策(アルマス広場、12角の石、サン・ペドロ市場)
高地順応のため標高3,400mに慣れる
クスコ市内のホテル泊
2日目 マラス塩田&モライ遺跡ツアー
朝食後、マラス塩田とモライ遺跡へ(クスコ郊外)
軽めのハイキングで体を慣らす
クスコへ戻り休息
クスコ市内のホテル泊
3日目 レインボーマウンテンツアー
早朝3:30-4:00頃 ツアー会社の送迎で出発
6:30頃 トレッキング開始(往復約6-7時間)
12:00頃 山頂到達(絶景を満喫!)
16:00頃 クスコへ帰着
クスコ市内のホテル泊
4日目 クスコ観光&帰国
午前:サクサイワマン遺跡観光(クスコ市内)
午後:クスコ空港へ移動、帰国等
周辺にも絶景が広がる!合わせて巡りたいスポット4選
レインボーマウンテンを訪れる時にあわせて行ってみたい観光地の紹介です。
マラス塩田、モライ遺跡、サクサイワマン遺跡、12角の石

マラス塩田(Salineras de Maras)
ペルー、クスコ市から約40km(マラス村付近)
車で約1.5時間、標高約3,000m
美しい棚田状の塩田で、インカ時代以前から続く伝統的な製塩地です。
山の斜面に数千の塩池が広がる光景は圧巻で、
太陽の光によって白やピンク、黄金色に輝く絶景が楽しめます。
特徴
インカ時代以前から続く製塩技術
アンデス山脈の地下から湧き出る塩水
(天然の塩分を含む湧水)を利用。
小さな塩田(約3,000区画)に塩水を引き入れ、
自然蒸発させて塩を採取。
塩の結晶化により、白色・ピンク色・黄金色のグラデーションが生まれる美しい景観。
特に乾季(5月~9月)は光の反射で美しいコントラストが際立つ。
マラス産の塩はミネラルが豊富で、
独特の風味がある。
ピンク色の「インカソルト(Inca Salt)」として土産物や高級レストランでも人気。
自由見学またはガイドツアーが一般的
(ウルバンバやモライ遺跡とセットで訪れる)
まとめ
マラス塩田は、アンデスの伝統と自然が融合した絶景スポットです。
白い塩田と周囲の茶色い山々のコントラストは写真映え抜群で、クスコ周辺観光のハイライトの一つとなっています!

モライ遺跡(Moray)
モライ遺跡は、クスコ市から約50km、
車で約1.5時間、標高約3,500m
独特な円形の段々畑(テラス)を特徴とするインカの遺跡です。
農業実験場として使われたと考えられており、
インカの高度な農業技術を示す重要な遺跡です。
特徴
同心円状のテラスが階段状に配置されており、
各段ごとに温度差(最大15℃の違い)が生じる。
この温度差を利用し、異なる気候帯の作物を試験的に栽培していたと考えられている。
インカ帝国全土から持ち込まれた種子の適応性を研究していた可能性が高い。
各テラスには独自の排水システムがあり、大雨が降っても水がたまらない設計になっている。
一部のテラスでは、異なる地域の土が運ばれていた形跡があり、土壌ごとの作物の成長実験を行っていた可能性がある。
マラス塩田とセットで観光されることが多く、
乾季(5~9月)が訪問に最適
まとめ
モライ遺跡は、インカ帝国の科学的な農業技術を示す貴重な遺跡。
円形の畑が美しく、
空撮映像では特に壮観な光景が広がる。

サクサイワマン遺跡(Sacsayhuamán)
インカ時代の要塞または宗教的な儀式の場と考えられている。
クスコ市中心部からタクシーで約10分
15世紀(パチャクティ王の時代)に建設
「クスコ市」の一部として1983年世界遺産に登録
特徴
巨大な石組みで、石は高さ5m以上、重さ100トンを超えるものもあり、精密に切り出され、隙間なく組み合わされている。
モルタル(接着剤)を使わずに組まれており、
地震が発生しても崩れにくい構造。
壁は3層のジグザグ状になっており、防御のための設計とも、雷の形を象徴しているとも言われる。
1536年、インカの反乱時にスペイン軍とインカ軍が激しく戦った場所。
スペイン人による征服後、多くの石がクスコ市内の建築に転用され、一部しか残っていない。
毎年6月24日に「インティ・ライミ(太陽の祭り)」が開催され、インカ時代の儀式が再現される。
「ボレート・トゥリスティコ(観光チケット)」を購入すると、他の遺跡と併せて観光可能
まとめ
サクサイワマンはインカ文明の高度な建築技術を示す貴重な遺跡です。

12角の石(La Piedra de los Doce Ángulos)
クスコ市内の「石壁通り(Hatunrumiyoc通り)」にある。
インカ時代の高度な石組み技術を示す有名な石です。
特徴
石の形が12角形になっており、
隣接する石とぴったり噛み合っている。
モルタル(接着剤)を一切使わずに組み合わされているが、隙間がまったくなく、地震に対しても崩れない。
クスコの多くの建物はスペイン植民地時代に破壊されたが、この石組みは今も残っている。
インカ帝国の職人たちの高度な技術を象徴するものとして観光名所になっている。
クスコ市内の中心部にあり、
徒歩で簡単に訪問可能。
無料で見学できるが、観光客で混雑することが多い。
触れることは禁止されているため、注意が必要。
まとめ
12角の石は、インカ文明の卓越した石工技術を象徴する歴史的遺物。
クスコ滞在を快適に!高地対応の宿泊&グルメスポット紹介
高地でも快適ステイ!おすすめの宿泊施設選び
Belmond Hotel Monasterio
歴史的な修道院を改装した5つ星ホテル。
豪華な内装と庭園、最高級のサービス
(1泊200~500USD)
JW Marriott El Convento Cusco
修道院をリノベーションしたホテル。
スパや快適な客室が魅力
(1泊200~500USD)
Tierra Viva Cusco Centro
コスパが良く、立地も便利。
モダンな設備と快適な客室
(1泊80~200USD)
Hotel Rumi Punku
静かで快適な宿泊施設。
コロニアル風の建築と美しい中庭が特徴
(1泊80~200USD)
バックパッカー向け
Pariwana Hostel Cusco
交流しやすく清潔なホステル。バックパッカーに人気
(1泊10~50USD)
Supertramp Hostel
リーズナブルで個性的な宿。カジュアルな雰囲気
(1泊10~50USD)
※料金は季節やイベント、予約タイミングによって変動があります。(2名一室利用時のひとりあたり)
美食も楽しもう!クスコの人気レストラン情報
Cicciolina
ペルー料理&イタリアンのフュージョンレストラン
おすすめメニュー
リャマ肉のカルパッチョ、パスタ・アラ・ノルマ
予算:約40~80USD
Chicha
有名シェフ・ガストン・アクリオのレストラン
おすすめメニュー
伝統的なセビーチェ、ロモ・サルタード
予算:約30~60USD
Limo
アルパカ肉とシーフードが自慢のレストラン
おすすめメニュー
アルパカのグリル、海鮮リゾット
予算:約35~70USD)
Green Point
健康志向のベジタリアンレストラン
おすすめメニュー
キヌアバーガー、アマゾンフルーツのスムージー
予算:約15~30USD
MAP Caf
高級アンデス料理を楽しめるレストラン
おすすめメニュー
ラムの煮込み、アヒ・デ・ガジーナ(鶏肉のスパイス煮)
予算:約50~100USD
La Bodega 138
カジュアルなピザ&パスタ専門店
おすすめメニュー
ナスとチーズのピザ、自家製パスタのボロネーゼ
予算:約20~40USD
ペルーならではの味を満喫!代表的な料理とおすすめ店
セビーチェ(Ceviche)
新鮮な魚介をレモンとスパイスでマリネした料理(シーフードレストランで提供)
ロモ・サルタード(Lomo Saltado)
牛肉の炒め物とフライドポテトの組み合わせ(多くのペルー料理レストランで提供)
クイ(Cuy)
ペルー名物の丸焼きモルモット(クスコ市内の郷土料理レストランで提供)
ピスコサワー(Pisco Sour)
ペルーの代表的なカクテル(バーやレストランで提供)

レインボーマウンテン登山の注意点と高山病対策|体験者が語る5つのポイント
私は標高5,000mを超えるレインボーマウンテンへのトレッキングを実際に経験しました。
正直、体力的にも環境的にも厳しい挑戦でしたが、しっかり準備しておけば誰でも感動的な体験ができると感じています。ここでは、私の体験から特に役立ったポイントを5つ紹介します。
高山病は甘く見るな!クスコで2日は順応時間を確保しよう
私も最初は軽症でしたが、それでも高山病に苦しみました。クスコに到着してから最低2日は安静に過ごし、ゆっくり高地に慣れることが大事だと実感しました。無理をせず、しっかり水分補給を心がけてください。
絶景を満喫するなら早朝出発がマスト!混雑回避と天候対策も忘れずに
私が参加したツアーは朝5時出発でしたが、これが大正解であったと感じております。観光客が少なく、朝の澄んだ空気の中で山の色が一層鮮やかに見えました。昼過ぎの強い日差しや人混みを避けられるのもメリットです。
服装は重ね着が基本!寒暖差に対応する登山スタイルとは?
朝晩は氷点下近く、日中は日差しが強烈と、気温差が激しい場所です。私は重ね着で調整しましたが、防風ジャケットや手袋、帽子、サングラス等も多少荷物が増えても持っていくと安心です。
体力に自信がない人は馬の利用も検討しよう|安心して登るための工夫
体力に自信がない方は、途中で馬を借りることが可能です。私は最後まで歩き切りましたが、馬に乗っている人を見て「賢い選択だな」と感じました。ただし馬を利用できる区間も限られておりますので、旅行前からしっかりと歩けるように体力をつけておくようにしましょう。

まとめ|標高5,000mで出会う、世界の絶景・レインボーマウンテンの旅
レインボーマウンテンは、ペルーの高地にある、まるで絵画のようなカラフルな山です。
何百万年もの地質変化によって生まれたこの場所は、今では「一生に一度は訪れたい絶景」として、
世界中の旅人を魅了しています。
標高はおよそ5,000メートル。
登るには体力も必要ですが、そのぶん、山頂で出会う景色は特別です。
自然がつくり出した色彩と静けさに、きっと心を奪われるでしょう。
バックパッカーにとっては、旅の達成感を味わえる冒険のひとつ。
そして、誕生日や記念日など、大切な時間を大切な人と一緒に過ごす場所としてもおすすめです。
日常では感じられないスケールの自然が、思い出に深い彩りを加えてくれます。
冒険が好きな人にも、特別な思い出を作りたい人にも。
レインボーマウンテンは、そのどちらにも応えてくれる場所です。
次の旅に、ぜひこの奇跡のような絶景のレインボーマウンテンを選んでみてください。
色のうねりと地層が織りなす幻想的な光景に興味がある方は、アメリカのザ・ウェーブもおすすめです。
