はじめに~赤い大地に眠る、神々の遊び場へ~
オーストラリアの荒野に、不自然なほど整った丸い巨石たちが、
まるで誰かに置かれたかのように静かに佇んでいます。
それが「デビルズマーブル(Devils Marbles)」。
数百万年という時間の中で、大地が語る物語。
風が削り、太陽が照らし、そして今も少しずつ姿を変え続けるその岩たちは、
まさに「地球が生きている」ことを感じさせてくれます。
そんなデビルズマーブルの不思議な魅力や文化的背景、訪れる際のポイントを旅人の視点でご紹介します。
日常の喧騒を忘れ、赤い大地の静寂に包まれた不思議な世界への扉を、一緒に開いてみませんか?
「動画で見る、絶景と幻想の世界」
次にお届けする約10秒の動画は、AIを使ったファンタジーな世界を表現したものです。
幻想的なシーンが広がるこの映像は、目で見て感じる絶景の美しさをさらに引き立てます。
ぜひ再生ボタンを押して、異次元の世界へと足を踏み入れてみてください。
動画の後は、この幻想的な景色を実際に訪れて楽しむ方法について紹介ます。
デビルズマーブルとは
~宙に浮かぶような巨石、アボリジニに語り継がれる神秘~
オーストラリアの広大な大地を車で走っていると、あるとき突然、地平線の向こうに現れる丸くて巨大な石たち。
まるで誰かが積み上げたような、でも明らかに自然が創り出したような、不思議な存在感。
それがデビルズマーブル(Devils Marbles)です。
先住民アボリジニの言葉では「Karlu Karlu(カール・カール)」と呼ばれ、「丸い巨石」といった意味を持つ神聖な場所。
何万年もかけて風と水が削り出した巨石たちは、昼と夜で表情を変え、訪れる人を魅了してやみません。
観光地としてはまだあまり知られていないぶん、静かに過ごせるのも魅力のひとつ。
夕焼けに染まる岩々、真夜中の満天の星空、そして朝日を浴びる神々しい光景。
どこを切り取っても「地球とは思えない」景色に出会える場所です。
デビルズマーブルの魅力やアクセス方法、見どころ、体験談をまとめて、初めて訪れる人にもわかりやすくご紹介していきます。大自然に癒されたい方、ちょっと変わった絶景を探している方にぴったりの旅先ですよ。

デビルズマーブルの基本情報 ~文化・歴史・神話が息づく聖地のすべて~
デビルズマーブルは、オーストラリア北部・ノーザンテリトリー州にある自然の岩石群。
オーストラリア中央部を南北に走るスチュアートハイウェイ沿いに位置していて、
ちょっとしたランドマークのような存在です。
名称:Devils Marbles(デビルズマーブル)
先住民名:Karlu Karlu(カール・カール)
場所:ノーザンテリトリー州 テナントクリークの南約100km
特徴:花崗岩(かこうがん)が風化・浸食されて形成された、直径数メートルの丸い巨石群
デビルズマーブルは単なる絶景スポットではありません。
ここはオーストラリアの先住民族・アボリジニの人々にとって「神話が今も息づく場所」であり、
何世代にもわたって大切にされてきた聖地です。
名前に込められた意味とアボリジニの神話
先住民たちはこの場所を「Karlu Karlu(カール・カール)」=「丸い巨石」と呼んでいます。
この名には単なる形の説明だけでなく、土地そのものと深く結びついた精神的な意味が込められています。
この地にはいくつもの「ドリームタイム」と呼ばれる創世神話が語り継がれています。
たとえば、「蛇の精霊が地中を這い、この石たちを地表に押し出した」とか、
「大地の精霊が夜の間にこの岩を積み上げた」など、どれも想像力をかきたてる物語ばかり。
伝統と信仰・・・今も守られる聖地としての姿
デビルズマーブルは現在、アボリジニの土地所有者たちと政府が共同で管理しており、
観光客に対しても「尊重と思いやりの心」を持って訪れてほしいというメッセージが掲げられています。
たとえば、特定の岩には登らないようにという案内があることも。
この地をただの「岩の観光地」として訪れるのではなく、神話の舞台に迷い込んだ旅人として歩いてみてください。
目に映る景色が、きっと少しだけ違って見えてくるはずです。

旅行計画の立て方
~アクセスと過ごし方~静けさと異世界の風景に包まれる~
アクセス方法と移動のコツ
車での移動が基本
アリススプリングスまたはテナントクリークからレンタカーで国道1号線(スチュアートハイウェイ)を
北上または南下。道路は舗装されており、通常の車でもアクセス可能。
最寄りの町
・Tennant Creek(テナントクリーク)/車で約1時間
・Alice Springs(アリススプリングス)から約400km(車で4~5時間)
補足:
この辺りはガソリンスタンドの間隔がかなり空いているので、燃料は余裕を持って給油するのがコツです。
また、電波が届かない区間も多いので、地図アプリはオフラインで使えるように準備しておくと安心です。
施設情報・入場料・注意点
- 入場料:無料
- 開放時間:24時間(ただし夜間の移動は暗くて危険なので注意)
- 駐車場:あり(広め)
- キャンプ場:あり(有料/予約不要のことも多い)
- トイレ:敷地内にあり(簡易型ですが比較的清潔)
- ピクニックテーブル:数か所に設置あり
- 売店・飲食店:なし → 食料や飲み物は事前に町で調達を!
- 電波・通信:かなり弱い~圏外の場所が多めです

デビルズマーブルの見どころ&楽しみ方
~自然が作った異世界、SNS映え抜群の景観スポット~
デビルズマーブルに到着してまず驚くのが、岩のひとつひとつがとにかくデカい!
中には直径5~6メートル、重さは何十トンにもなる丸い岩がゴロゴロと転がっていて、
まるで巨人がこの場所で石を投げ合って遊んだあとのような不思議な光景が広がっています。
巨大なバランスロックに驚く
岩が不自然なくらいキレイに重なっていたり、今にも転がりそうな角度で乗っていたり!
そのバランスは「えっ!?これ落ちないの?」と叫びたくなるほど。
「自然が創り出したファンタジー建築」とでも言いたくなるその姿は、写真映えも抜群。
インスタでは「#devilsmarbles」や「#karlukarlu」で探してみると、
信じられないような構図の写真がたくさん出てきます。
岩の色が変わる魔法の時間帯
朝焼け・・・黄金色に染まる岩
日中・・・・赤茶の大地にコントラストが映える
夕暮れ・・・岩が赤く輝き、まるで燃えているよう
夜・・・・・星空の下、岩が静かに浮かび上がるような幻想空間に
どの時間帯も美しいですが、特におすすめは早朝と日没前後。
影が長く伸び、空と岩のグラデーションが最高に幻想的。
まるで空と大地が交わる魔法の時間です。
岩と岩の間を探検しよう
岩の配置はかなり不規則です。
ハイキングコースというより迷宮を歩くような感覚で、自分のペースで歩きながら撮影を楽しめます。
時折、小動物や鳥の声が聞こえてくる静寂の中、風に吹かれながら石と対話しているような気分に。
スマホのカメラではおさまりきらないスケール感をぜひその目で体験してみてください。

宿泊・周辺情報 ~満天の星に包まれる夜、アウトバックの魅力を満喫~
デビルズマーブルを訪れるなら、ぜひ1泊してじっくり満喫するのがおすすめです。
というのも、昼間の光景ももちろん圧巻ですが、本当に感動するのは日没後「宇宙のような星空」。
この光景は、日帰りでは味わえません。
また、周辺観光地と合わせて周遊するのがおすすめですよ。
キャンプ場情報(Devils Marbles Campground)
岩場からすぐの場所に、小さなキャンプエリアが整備されています。
トイレ(簡易式)とピクニックテーブルはありますが、電気やシャワーはありません。
焚き火可能(条件による)
予約は不要のケースが多く、先着順/現地で料金支払いというスタイル。
満天の星空と静寂に包まれて、まるで宇宙に一人で寝ているような夜を体験できます。
テントやキャンピングカーに慣れていない方は、アリススプリングスかテナントクリークで宿泊し、
日中に立ち寄るのもアリです。周辺スポット(ドライブ派におすすめ)
周辺のおすすめホテル
宿泊費は季節やイベント、予約タイミングによって変動があります。(2名一室利用時のひとりあたり)
Devils Marbles Hotel(デビルズマーブルに最も近いホテル)
デビルズマーブルから車で約5分。
唯一の最寄宿。
ローカル感あふれるパブ併設のホテルで、星空観察にも最適。
素朴でアットホーム。オーストラリアのアウトバック感を体験。
宿泊費目安:AUD 130~170/泊
Bluestone Motor Inn(テナントクリーク中心部)
快適・清潔で観光拠点におすすめ。
プールやレストラン、無料Wi-Fiなど完備。安心して泊まれる。
観光や長距離ドライブの中継地点として最適。
宿泊費目安:AUD 150~200/泊
Safari Lodge Motel(テナントクリーク)
シンプルで落ち着いたモーテル。手頃な価格。
キッチン付きの部屋もあり。長期滞在や節約派におすすめ。
ローカル感と落ち着きがある、静かな宿。
宿泊費目安:AUD 120~160/泊
ローカルグルメを味わえるお店
レストランは少ないですが、以下が旅行者に人気です。
Devils Marbles Hotel Bar & Bistro
本場オージーパブの雰囲気を体験できる。
旅人と地元の人が集うカジュアルな空間。
人気メニュー
ステーキ、バーガー、ビール。
Bluestone Restaurant(テナントクリーク)
地元の食材を使ったしっかりとした食事が取れる。
家族連れにもおすすめのカジュアルレストラン。
人気メニュー
ローストビーフ、シーフードプラッター、ワイン。
Top of the Town Cafe(テナントクリーク)
朝食や軽食にぴったりのカフェ。
地元客も多く、アットホームで落ち着く空間。
人気メニュー
ブレックファストプレート、サンドイッチ、ラテ。
あわせて訪れたい周辺観光地
テナントクリーク(Tennant Creek)
市内散策、デビルズマーブルから北へ約1時間の小さな町。
ガソリン補給や食料調達はここがラストチャンスになることも。
アボリジニ文化センター、金鉱山跡、ローカルアートなど。
おすすめ
ローカル色を感じたい旅好きに。
カールズカルダー自然保護区(Karlu Karlu Conservation Reserve)
デビルズマーブル自体の別名エリア
夜の星空観察スポットとしても大人気。
おすすめ
昼は岩、夜は星空。1泊して両方楽しむのが◎
アリススプリングス(Alice Springs)
デビルズマーブルから南下する王道ルート
車で約5時間(遠いですが、アウトバックロードトリップとして人気)
ウルル(エアーズロック)方面へ向かう拠点として旅がつながる。
おすすめ
旅のルートを拡張したい方向け。
Wycliffe Well(ワイクリフ・ウェル)
「UFOがよく出る町」として知られるユニークな集落。
ちょっとしたお土産や軽食もあり、話のタネにおすすめ!
体験談から学ぶ、旅のヒント&アドバイス
~「静けさ」と「解放感」を体験に変える~
デビルズマーブルは、ただの観光スポットというよりも、「体感する場」。
広大な赤い大地に点在する丸い岩々は、見る角度や光の具合によってまったく違う表情を見せてくれます。
そんな空間を心から楽しむために、体験談からいくつかのポイントをまとめてみました。
星空と静寂を味わう夜の感動
キャンプをすれば、夜は人工の光がほとんどない真っ暗な世界に。
空を見上げれば、びっしりと星が広がり、流れ星もぽつぽつ。
焚き火の音や、風の気配だけがそっと耳に届く時間は、旅の中でも特別なひとときになるはず。
準備はしっかり、心は自由に
現地は非常に乾燥していて、昼間はかなり暑くなることも。
飲み水、軽食、日よけアイテム(帽子・サングラス)、日焼け止めなどはしっかり持参を。
携帯の電波が届かないエリアもあるので、オフラインで過ごす覚悟も大切です。
逆にスマホから離れて過ごす時間が、思いがけず心地よく感じられることも。
風と空に身をゆだねて過ごす時間
デビルズマーブルは、せわしなく歩き回るような観光地ではありません。
ふと立ち止まり、風の音に耳を傾けたり、岩の影でゆっくり深呼吸したり。
そんな時間の使い方がしっくりくるとともに、心に残る静けさがある場所であります。
旅のペースを少し落として、自然とじっくり対話してみると、きっと忘れられない思い出になりますよ。

まとめ ~赤土の大地に転がる、冒険心をくすぐる不思議な世界~
デビルズマーブルは、地図で見ればただ「岩がある場所」かもしれません。
実際に足を踏み入れると、そこには時間の流れがゆっくりと変わるような、不思議な静けさが広がっています。
赤茶けた大地に、ぽつりぽつりと転がる巨大な丸い岩たち。
岩の影で風を感じたり、夕暮れに染まる空を見上げたり、夜空の星を数えたり。
そんなシンプルな時間が、いつの間にか心をふわりと解きほぐしてくれます。
この場所には、アボリジニの神話が今も静かに息づいていて、
旅人はその物語の一部を、そっと分けてもらうような感覚になります。
映える景色を写真におさめるのも素敵ですが、
カメラを一度置いて「ここにいる」という感覚をじっくり味わってみてください。
きっと、帰るころには心のどこかに、あの赤い岩と星空が優しく残っているはずです。
「旅の途中で、ちょっとだけ異世界に立ち寄ってみた」そんな特別な思い出をつくりに、
ぜひ一度、デビルズマーブルを訪れてみてください。
