現存する唯一の『世界の七不思議』であるピラミッドを見ようと、世界中から観光客が訪れるエジプト。
特にメンフィスとその墓地遺跡は、世界遺産に登録されたことでさらにその知名度と人気を上げています。
そこで今回は年々エジプト観光の人気が高まる中で気を付けなければならない点や、ここだけは見逃さないで頂きたい見どころをご紹介します。
はじめに ~ 古代エジプトの首都メンフィス ~

ピラミッドは初めからギザの3大ピラミッドのように正4角錐だったのではありません。最初のピラミッドである第3王朝時代のジュセル王の『階段ピラミッド』に代表されるように、初期のピラミッドは階段状でした。
第4王朝に入ると『屈折ピラミッド』と称される、勾配を建設途中に54度から43度に変更しているピラミッドがスネフェル王によって作られました。
屈折ピラミッド建造後にスネフェル王はさらに、ダハシュールで勾配約43度、側面が二等辺三角形の赤いピラミッドを建造することに成功します。これが私たちが近年、写真や動画でよく目にする『真正ピラミッド』の外形となりました。
その後スネフェル王の次の王、クフ王によってギザの大ピラミッドが建造され、続くカフラー王・メンカウラー王の時代ではクフ王にそれほど引けを取らないほどのピラミッドが建造されました。
しかし、次のエジプト第5王朝から少しずつピラミッド建造の規模は縮小してきます。
ピラミッドの石材や石積みの精緻のレベルが落ちていき、エジプト新王朝時代を開いた第18王朝イアフメス一世のピラミッドを最後にピラミッド建造の歴史は幕を閉じました。
メンフィスと墓地遺跡の見どころ〜ピラミッド見学!~

いざピラミッドを見学!といってもメンフィスと墓地遺跡にはたくさんのピラミッドが点在しています。
時間や体力を考慮してどれを見ようか迷ってしまうのではありませんか?
そこで、押さえておくべき見どころを3つご紹介いたします。
- ギザ
『3大ピラミッド』があるギザはエジプト観光のメイン。ピラミッドエリアのチケット売り場を抜けると高さ20m全長73.5mのスフィンクスが出迎えてくれます。(クフ王側のゲートとスフィンクス側のゲートがあります) 3大ピラミッドのうちどのピラミッドがおすすめですかと聞かれると全部なのですがそれは一つ一つのピラミッドに特徴があるからです。
1番大きいクフ王のピラミッドは内部に『王の間』『女王の間』『地下の間』『大回廊』等見どころが多くツアーなどで、ガイドさんの話を聞きながら見学するのがおすすすめです。
2番目に大きいカフラー王のピラミッドは保存状態が良く、頂上付近の外壁に化粧石が残っています。クフ王のピラミッドよりも高い基盤の上に建てられているのでクフ王のピラミッドよりも高く見えます。記念撮影はカウラー王のピラミッド前でいかがでしょう?
1番小さいメンカウラー王のピラミッドは内部にギザだけに見られる精巧な装飾が施された壁龕(へきがん)があり、王の玄室は、丸天井になっています。往時のピラミッド内部をうかがい知ることができます。
なお、ギザのピラミッドではナイトショーがあり、ピラミッドに映像が映し出されてエジプトとピラミッドの歴史を英語、アラビア語、ドイツ語などで解説してくれます - ダハシュール
スネフェル王が建造した『赤いピラミッド』があります。ギザのクフ王・カフラー王のピラミッドに次いで3番目の大きさで、こちらも世界遺産に登録されております。また、ピラミッド建造の過程を知るうえで非常に興味深い『屈折ピラミッド』もおすすめです。 - サッカラ
ジュセル王が建造した『階段ピラミッド』があります。サッカラの遺跡の特徴は、ピラミッド周辺に葬祭殿や神殿・中庭などの複合施設があることです。その複合施設全体を高さ約10m・長さ約1645mの巨大な壁が覆っています。建造当時は青いファイアンス・タイルが嵌められていました。歴史上初の階段ピラミッドが後世に与えた影響は大きく、観光客が絶えることはありません。
ピラミッドまでの行きかた~ギザは昼も絶景!夜も絶景!~

首都カイロから約20キロのピラミッドまでは様々な行きかたがありますが、おすすめは、ピラミッドの近くで宿を取ることです。なぜならピラミッドに近いのは言うまでもありませんが、ナイトショーを宿に居ながらにして見ることができるからです。
ピラミッドのナイトショーはピラミッドをスクリーンにして、エジプトの歴史とピラミッドの物語を演出するのでとにかく壮大!さすがピラミッドを作ったエジプト人!音楽やナレーションも十分に聞こえますのでご安心を。ナイトショーが見られる宿と銘打っているホテルもあるのでぜひご検討ください。
ピラミッドまでの行きかた~ギザは昼も絶景!夜も絶景!~

首都カイロから約20キロのピラミッドまでは様々な行きかたがありますが、おすすめは、ピラミッドの近くで宿を取ることです。なぜならピラミッドに近いのは言うまでもありませんが、ナイトショーを宿に居ながらにして見ることができるからです。
ピラミッドのナイトショーはピラミッドをスクリーンにして、エジプトの歴史とピラミッドの物語を演出するのでとにかく壮大!さすがピラミッドを作ったエジプト人!音楽やナレーションも十分に聞こえますのでご安心を。ナイトショーが見られる宿と銘打っているホテルもあるのでぜひご検討ください。
エジプト旅行全般の注意点 ~ムスリム国エジプト~

ここでいくつか『ムスリム国エジプト』を観光する上で、気を付けなければならないことをご紹介します。トラブルなく観光するためにも『郷に入らば郷に従え』で、異教徒の観光客と言えども最低限のマナーを守りましょう。
服装
宗教的な背景に配慮して、特に女性は肌の露出を控えてください。満9歳以上の女性は、髪の毛を隠すために帽子よりもスカーフを頭からかぶることをお勧めします。
また、エジプトでの遺跡見学で気をつけなけてばならないのは、砂漠の真ん中を長時間歩かなければならないことが多い点です。
ピラミッドや墳墓ような建造物の中に入ってしまえば直射日光を避けられますが、エジプトの遺跡は屋根が無いことが多いので、夏場は暑く、冬場は日暮れと共に急に冷え込みます。
そこで、活躍するのが市場やお土産屋で売っている大きめのスカーフです。
夏場は直射日光から頭や首筋を守り、冬場は夜の冷え込みに耐えられるように、大きめのスカーフを『エジプト土産が一つ増えた』と思って購入してみてはいかがでしょうか?
コミュニケーション
エジプト人男性から女性に話しかけることはほぼありません。食事のオーダーや、ホテルの対応など仕事上で話しかけてくることはありますが、それ以外で話しかけてくることはありません。
ムスリムの間では『独身女性は父親の宝物。既婚女性は夫の宝物』とされているので、むやみに話しかけてはならないからです。
観光客の女性に対しても同じ思いがあるようなので、こちらからも用事がない限り、女性はエジプト人男性に無理に話しかけないようにしましょう。
観光地価格
エジプト観光ではタクシーをよく使うことになると思いますが、タクシーはご自身が泊まる宿のご主人が手配してくれたタクシーにした方がいいでしょう。
観光客相手だと正規の値段よりも高い料金を支払わされることがあるからです。宿のご主人が呼んでくれるタクシーは宿のご主人の信用問題にも関わるため、おかしな値段を要求することはありません。
また、ナイル川沿いで『フルーカ』という小型の帆船に乗らないかと誘ってくる人たちもいます。こちらも基本的には、宿が所有しているフルーカか、宿の御主人に紹介されたフルーカに乗ることをお勧めいたします。
喜捨(チップ)
タクシーを降りた時や、ツアーの終わり、エジプト人に写真を撮ってもらったときなどに、
『バクシーシ』と言ってチップのようなものを求められることがあります。これは必ずしも払わなければならないものではありません。
本来、バクシーシとは富めるものが貧しいものに施しを与えることを意味します。ですから、貧しいものが富めるものに要求するものではないのです。
旅行ができるほどお金持ちなのだからという考え方もあるとは思いますし、せっかく旅行に来たのに少額のお金を施すか否かでトラブルになるのも避けたいものです。
そこで、トラブルを回避するためにも上手くバクシーシをする方法をご紹介。
まず一番少額の紙幣でいいので、お札を手の中に入るくらいの大きさまで折り曲げます。折り曲げた紙幣を人差し指と中指の間に挟んだまま握手しながら紙幣を渡してみてください。
握手しながら手渡しているため相手にはその時点では金額が分かりません。そのため小額でも渡しやすく、相手が紙幣を広げ金額を確認している間にその場を離れることができます。
エジプトグルメ ~エジプトファーストフード~

エジプト料理の豊富なことと言ったら枚挙にいとまがありません。そこで、レストランで食べられるものではなく、あえてエジプトの街中の屋台などで出会えるものを厳選しました。おすすめのものを5つご紹介します。
- ファラフェル
ソラマメを主原料にした揚げ物。コロッケのような見た目で大きさはひとつがプチトマトくらい。軽食や朝食にピタパンにはさんで頂きます。
- コシャリ
エジプトの国民食。混ぜるという意味を持つコシャリはご飯・マカロニ・スパゲティー・フライドオニオンなどを器に入れてまぜてトマトソースをかけた料理。
- マハシー
マハシーとは詰め物料理全般を指しますが、おすすめはキャベツのマハシー。ロールキャベツに似ています。
- ザラビア
丸いドーナツのようなお菓子。粉砂糖やはちみつ、チョコレートをかけてたべます。
- アターイフ
エジプトではラマダンに良く食べられるお菓子。パンケーキのような生地でクリームやナッツを包んで揚げ、甘~いシロップをかけて食べます。見た目は餃子に似ています。
ファラオの遺産・ピラミッド ~メンフィスとその墓地遺跡~まとめ

ピラミッドを間近に見ることでその壮大さに胸を打たれ、ファラオの権力を改めて思い知る方も多いと思います。古代、ファラオはピラミッドを建造するという仕事を民に与えることで国の安定を図り、民の生活を豊かにしました。
そして、さらにファラオの凄いところは、自身の遺産が現在のエジプトの人々の生活をも支え続けているという点です。
古代のファラオが未来の民のために観光目的でピラミッドを建造したわけではないにしても、ピラミッドやファラオの遺産がエジプトの経済の一端を担っているのは明らかです。
さすが、民を守ってこそのファラオ!
メンフィスとその墓地遺跡は、訪れた人々にファラオの偉大さを痛感させるとともに、後世にその偉業を伝えることの大切さを教えてくれることでしょう。